波紋坂道理論 第25回 境界の初期座標:対象から伸びる坂道と接近する虚像 [L5-S13-C025]

波紋坂道理論 第25回 境界の初期座標:対象から伸びる坂道と接近する虚像 [L5-S13-C025]
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※本連載の原点となる第1回の記事はこちら

前回の観測において、我々は第一章から第三章までの幾何学を総括し、現実と無意識を隔てる境界(水面)に取り残された「観測者」の存在を指摘した。

本章から始まる第四章では、この観測者(本人)の座標を確定させる。

そのために、まずはすべての事象が始まる「初期状態」の絶対座標を再定義しなければならない。

1. 水面上の絶対距離とアバターの初期位置

我々が現実世界を認識する意識の空間である「水面上」。ここには、自己を認識する「観測者」と、他者や事象である「対象(第一の点)」が存在している。

ここで我々が直視すべき動かしがたい真理は、観測者と対象の間には、水面上において「常に一定の距離」が開いているということである。

誤解してはならないのは、これが現実世界における物理的な空間距離を指しているのではないという点である。

他者という人間関係において、空間的にどれほど近接していようと、自己と他者という独立した実体が完全に一つに融合することはあり得ない。そしてこれは、人間に対してだけでなく「情報」や「事象」に対しても全く同じことが言える。

我々がどれほど深くある出来事に没入し、あるいは特定の情報を熟知したと感じようとも、「認識する者(観測者)」と「認識されるもの(対象)」の間には、決して同化できない絶対的な隙間が存在する。この「一定の距離」とは、情報量の多寡や関係性の名目がどうであれ、決して縮まることのない存在と存在、あるいは主体と客体の間の「絶対的な境界線」を意味している。

では、無意識の負荷を引き受ける「アバター」は最初、どこにいるのか。

事象が始まる前(深さゼロ)の段階において、アバターは観測者の足元にはいない。アバターの初期位置は、この絶対的な距離を隔てた「対象と完全に重なる座標」に設定されている。他者であれ事象であれ、対象との接触点こそが、すべての負荷(摩擦)の発生源となるからである。

2. 観測者へ向かう坂道と接近するホログラム

対象からの情報が境界を叩き、波紋エネルギーが発生した瞬間、静止していた幾何学が動き出す。

無意識のシステムにおいて、直角三角形の器に流れ込んだ情報量(面積)に応じて、対象の座標と重なっていたアバターは、無摩擦の斜面(坂道)を静かに下っていく。

ここで確定させるべき重要な幾何学がある。アバターが下るこの斜面(坂道)は、対象の初期位置から「観測者のいる座標へと向かって」斜め下へと伸びている。

水面上の観測者を原点 O(0,0)O(0,0) とし、対象の初期座標を一定の絶対距離 DD を隔てた P(D,0)P(D,0) と定義しよう。

アバター AA の初期位置は対象と同じ A(D,0)A(D,0) である。しかし、波紋エネルギーの流入によって深さ(負荷 yy )が増大するにつれ、アバターの水平座標 xx は対象の位置 DD から原点 OO へと向かって徐々にスライドしていく。

そして、このアバターの直上(水面上)に投影され続けるのが、対象の虚像である「ホログラム H(x,0)H(x,0) 」である。

アバターが情報量に応じて斜面を下り、水平方向に観測者へと近づくにつれて、水面上に投影されたホログラムの観測者からの距離 LHL_H は、次のように変動する。

LH=xL_H = x

アバターの深度が増せば増すほど、水平座標 xx は小さくなる。すなわち、ホログラムは対象の初期位置から離れ、観測者の眼の前へと迫ってくるのである。

3. 乖離の始まり:動かない観測者と引き裂かれる距離

ここで、境界線上に留まり続ける「観測者」の視座に立ってみよう。

現実の対象 P(D,0)P(D,0) は、一定の絶対距離 DD を保ったままそこから動いていない。しかし、観測者の眼には、対象の位置から発生し、アバターの沈降に伴って自分の方へと徐々に接近してくる「ホログラム」の姿が映っている。

表面上の意識において、観測者はこの接近してくるホログラムを見つめ、「相手との距離が縮まっている」「対象を深く理解している」という深い錯覚を引き起こす。 だが、境界を隔てた水面下において、真実は異なる力学で動いている。

我々は日常において、「表面上はうまくやっているし、相手を近くに感じているはずなのに、なぜか心が遠く感じる」あるいは「深く理解したはずの事象に対して、ふと空虚感を覚える」ということがある。 その正体こそが、水面上の絶対座標に取り残された「観測者」と、深淵へと沈んでいく「アバター」の間に生じた、幾何学的な乖離の感覚に他ならない。

表面上の意識において距離が縮まっているように感じる時、水面下では一体どのような物理法則が働いているのか。 アバターと観測者の間に生じるその「見えない乖離」の正体を計測するためには、まずアバターが下っていく軌道そのものを確定させなければならない。

次なる第26回において、我々はこの無摩擦の斜面が持つ「坂道の角度」について観測を行う。 情報を受け取り、無意識の深淵へと向かうその傾斜は、いかにして決定されるのか。その角度が暴き出すのは、我々が世界を認識する根底に横たわる、静かで揺るぎない真理である。

■ 波紋坂道理論:全観測記録はこちら [【全記録アーカイブ】波紋坂道理論 総合ポータル [L5-S13-RST-Arch.]]

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リラグネット

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はじめまして!食品工場勤務のリラグネットです。 ブログ開設後2年間完全に放置していましたが、乃木坂46のゲーム記録から執筆リハビリを開始。現在はAIを駆使してサイトを本格的に大改修中です! ガンダムや『さよなら絶望先生』、ミッシェルからケミカルブラザーズ、京極夏彦、劇団☆新感線まで、大好きなカルチャーとブログ運営のリアルを語ります。

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